TSW2021レポート③ 【つくば市 屋代さん / VCT 小村さん】

2021年12月15日〜19日に開催したTsukuba Startup Week 2021(TSW2021)のレポート第3弾ということで、Day2『Tsukuba Startup Night 2021でご一緒させていただいた、つくば市スタートアップ推進室の屋代知行さんVenture Café Tokyo Program Directorの小村隆祐さんにTSW運営の堀下がインタビューさせていただきました。


堀下:Day2『Tsukuba Startup Night 2021』がどんなイベントだったのかを教えてください。

屋代さん:Venture Café Tokyoが毎週木曜日に開催しているThursday Gatheringのつくばのテーマナイトとして『Tsukuba Startup Night 2021』を開催しました。つくば市は、筑波大学産総研JAXAなどの研究機関が集まる研究学園都市で、研究シーズが多くあります。そこでつくば市では、このようなシーズの事業化の支援を行っています。今つくばが構築しているエコシステムをつくばにとどまらず広く発信すべく、ありのままのつくばのスタートアップの状況を見せるイベントとして企画しました。つくばで取り組んでいるスーパーシティやディープテックの事業化について話すセッションを実施し、最後のセッションでは筑波大学 学長の永田氏と経済産業大臣政務官の岩田氏、CIC Japan 会長の梅澤氏、株式会社54 代表取締役社長の山口氏、つくば市長の五十嵐氏にご登壇いただき、つくばの未来についてそれぞれの知見をお話しいただきました。

小村さん:つくば市とVenture Café Tokyoの取り組みは、Venture Café Tokyoができた当初「Tsukuba Startup Night」の前身となる「Tsukuba Global Night」というイベントを開催したことから始まりました。2018年から計3回のイベントを開催しており、ともに取り組んできたということで、Venture Café Tokyoにとっても特別なイベントです。
『Tsukuba Startup Night 2021』では、つくばのエコシステムを広く発信するという点で、国内最大級のイノベーションハブであるCIC Tokyoで開催できたことは大きな価値があったと思います。また、現地にも多くの方々にご来場いただき、つくば発のスタートアップやつくばのキーマンと他地域のイノベーターの接点ができ、多くの方を巻き込むことができたと感じています。400人近い人が集まるイベントを東京虎ノ門で大きく開催できたということは、対内的にも大きな効果があったのではないでしょうか。

屋代さん:実際イベント終了後の反響は大きかったです。これまでつくばとコンタクトとったことのなかったVCや自治体、スタートアップの方々とつくばのスタートアップについて意見交換をする機会がすごく増えました。今つくば市では外部の力を求めているので、CIC Tokyoで開催した意味がすごくあったと思っています。


堀下:『Tsukuba Startup Night 2021』はつくば市とVenture Café Tokyoがタッグを組んだ企画の3回目として開催しましたが、TSWとして開催するのは今回が初めてでした。TSWとして開催したことでさらによかった点についてお教えください。

屋代さん:スタートアップエコシステムの醸成には、スタートアップの創業前から出口のIPO、M&Aまで一連の流れが必要になります。これまでもつくばコンソーシアムとして取り組んできましたが、各機関をつなぐ接点がありませんでした。今回TSWを開催したことにより、各機関が主催するイベントをWeekとしてつなぐことができ、連動性があって非常によかったと感じています。これが、エコシステム醸成のきっかけになるのではないかと思います。

小村さん:1,000人を超える方々がTSWの一連の活動にご参加いただいたことは、量的インパクトとして非常に大きかったと考えています。TSWを実施するにあたって、複数の機関からさまざまなエコシステムプレイヤーが集まり企画を重ねました。この取り組みこそまさにエコシステムづくりだと思います。忌憚のない意見のやり取りの中で、つくばとしてどういう方向を目指していくのかを複数のステークホルダーが集まって対話できたことは、価値のあることだったと思います。2018年ごろからつくば市ではスタートアップ戦略を打ち出し多くの注目を集めましたが、時間が経つ中で他の自治体でも取り組みが加速してきました。そこで今回『Tsukuba Startup Night 2021』を開催したことが、新たなスタートラインとして価値のあることだったと感じています。

堀下:実行委員の全員が、手触り感のあるものとして忌憚のない意見を出し合いながら創り上げたのがTSW2021だったのかなと改めて思いました。TSW2021では5日間で8つのプログラムを実施し、1,200人以上の方々にご参加いただけたことは、つくばとしても大きなスタートアップの祭典になったのではないかなと思います。


堀下:TSW2022に向けてさらに力を入れていきたいポイントや、その先にあるつくばのエコシステムの希望・展望を教えてください。

屋代さん:TSW2021ではエコシステムの土台作りとして研究機関や支援機関の方々とお話しする中で、同じ方向を向いて取り組んでいるなと肌で感じることができました。2022年はそこを具体的に形にしていくことがつくば市の使命でもあるので、TSW2022ではみなさんに一歩進んだシステム作りとしてつくばの連動性を見せていけるといいなと思います。そして、全国からつくばの支援者を募り、みんなでつくばを盛り上げていきたいと思います!

小村さん:つくばという地域には可能性をすごく感じています。これだけの研究者やスタートアップが集まっているのは、つくばにしかない強みだと思います。だからこそこれからは、老若男女問わずまちのあらゆる所で企て話が飛び交っている地域になっていくと面白いと思います。そして結果として、たくさんの起業家やスタートアップが生まれ集積し、つくばの色が多くの方々に認知され、どんどん盛り上がっていくシステムを作っていきたいと思います!

堀下:TSW2022やそれ以降の未来に向けて、つくばのスタートアップエコシステムをさらに分厚く密にしながら、外に対しても発信をしていく母体として、TSWが機能していくと面白いなと思いました!ありがとうございました。


今回のインタビューを通じて、つくば全体として連携し取り組んでいくことの重要性を改めて実感できました。
TSW2021は各機関の方々のご協力により開催することができました。今後も各機関との連携を強めていきたいと思います

インタビュー:Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCT operation manager 堀下恭平
写真撮影:株式会社しびっくぱわー 川原涼太郎
記事執筆:株式会社しびっくぱわー 中井遥

2022/3/14(月)