TSW2021レポート④ 【茨城県 山崎さん、佐藤さん / TC 跡部さん】

2021年12月15日〜19日に開催したTsukuba Startup Week 2021(TSW2021)のレポート第4弾!Day3『TSUKUBA STARTUP TOUR』と『TSUKUBA CONNÉCT #31でご一緒させていただいた、茨城県技術革新課の山崎由貴さん、佐藤和也さんTSUKUBA CONNÉCT Program Managerの跡部悠未さんにTSW運営の堀下がインタビューさせていただきました。


堀下:Day3『TSUKUBA STARTUP TOUR』と『TSUKUBA CONNÉCT #31』がそれぞれどのようなイベントだったのかを教えてください。

跡部さん:毎月第1、3金曜日に開催しているTSUKUBA CONNÉCTですが、今回はTSWということで『TSUKUBA CONNÉCT #31』に加えて『TSUKUBA STARTUP TOUR』も実施しました。『TSUKUBA STARTUP TOUR』では、つくばのスタートアップの創出・成長支援をしているつくばスタートアップパーク産業技術総合研究所つくば研究支援センターの3ヶ所をまわり、それぞれの施設の取り組みだけでなく、つくば市茨城県筑波大学の方々にもお越しいただき、それぞれの取り組みについても紹介していただきました。定員である40名の方々にご参加いただき、東京からVCやCVC、スタートアップ、アクセラレーターなどつくばのスタートアップに興味のある方々をお招きしました。


堀下:『TSUKUBA STARTUP TOUR』はどのような目的で企画されたのかを教えてください。

山崎さん:東京ですと、投資家や大手企業の方々とベンチャーの方々が交流する場が自然に起こりますが、茨城/つくばですと地域の中でそういった機会がなかなかありません。そこで、意図的に交流できる機会を作り出し、首都圏のVCや支援機関の方々につくばを知ってもらうことを目的に企画しました。

堀下:40名もの方々が参加し満員御礼の『TSUKUBA STARTUP TOUR』でしたが、ツアー終了後は最終地点であるつくば研究支援センターから『TSUKUBA CONNÉCT #31』をお届けしました。ツアーからそのまま『TSUKUBA CONNÉCT #31』にご参加いただく方も多くいらっしゃいました。


堀下:『TSUKUBA CONNÉCT #31』はどのような企画だったのか教えてください。

跡部さん:Session1では「Relate: まちづくり×スポーツ」ということで、茨城が誇る起業家である株式会社鹿島アントラーズFC 代表取締役社長であり株式会社メルカリ 取締役会長である小泉文明さんにご登壇いただきました。鹿島アントラーズが新たに取り組もうとしている、スポーツを中心としたさまざまな分野を巻き込んだまちづくりについてや、先輩起業家として次の世代の起業家へのメッセージをいただきました。小泉さんだけでなく、東京から森ビル株式会社の中裕樹さん、名古屋からNAGOYA CONNÉCTのメンバーであり株式会社LEO 代表取締役 CEOの粟生万琴さん、そして、若手スタートアップ起業家2名にもご登壇いただきました。

堀下:豪華なコメンテーターがいらっしゃるということで、筑波大発ベンチャーforent株式会社 代表取締役社長の塚崎浩平さんと高校生起業家の株式会社Ishizue 代表 藤原遥人さんにご登壇いただきました。

跡部さん:Session2では、TSW2021 Day4『筑波大学次世代アントレプレナー育成事業「EDGE-NEXT」最終発表会』のプログラムにつなげる形で「筑波大学 EDGEアルムナイ ベンチャーズ!」を実施しました。EDGE-NEXTは筑波大学の研究者や学生だけでなく、つくばの各研究機関の方々も参加するプログラムです。筑波大学で5年間実施されてきたEDGEプログラムを受けて実際にスタートアップ起業された方々5名のピッチを実施し、メンターの國土晋吾さん、筑波大学国際産学連携本部 教授の尾内敏彦さんにもご登壇いただきました。

跡部さん:最後のSession3は趣向を変えて「スタートアップセッション 〜茨城/つくばで活躍する外国籍の方の起業準備、起業、就職〜」を実施しました。つくばは、人口25万人に対して1万人以上の外国籍の方がいると言われています。そんな中で、筑波大学にアフリカ系留学生が多く在籍しているのがつくばの特徴です。最近では、日本のスタートアップに興味があり実際に日本で起業したり就職したりする人が出てきています。そこで、実際に日本でスタートアップを起業された方やスタートアップ企業に就職した方をお招きし、実例をもとにお話しいただきました。


堀下:今回TSW2021に向けて時間をかけて企画されたプログラムだったと思いますが、どんな思い入れがありましたか?

佐藤さん:『TSUKUBA STARTUP TOUR』と『TSUKUBA CONNÉCT #31』を合同で開催するということで、首都圏の方を中心に多くの方々にご参加いただけるせっかくの機会でしたので、大きな企画として小泉社長にご登壇いただいたことで、大きなインパクトを残すことができたのではないかと思っています。


堀下:2020年8月から毎月2回開催してきたTSUKUBA CONNÉCTですが、今回TSW2021に位置付けたことによって何か感じたことはありましたか?

山崎さん:TSUKUBA CONNÉCTは昨年度から開催してきましたが、コロナの影響でなかなか会場に集客することができませんでした。一方TSW2021では首都圏からもご参加いただき『TSUKUBA STARTUP TOUR』からの流れで『TSUKUBA CONNÉCT #31』を実施することができました。これにより、会場に人が集まり交流が起きるという我々がもともと理想としていた形を少し実現できたと思います。またイベントの裏側では、首都圏から参加してくださったベンチャー支援機関の方がベンチャーの方と打ち合わせをするHappenが起きたこともよかったなと思います。

堀下:TSW2021の時期はコロナが少し落ち着いていて、実際に会場に人を呼ぶことができましたが、それはTSUKUBA CONNÉCTにとってどんな体験でしたか?

跡部さん:『TSUKUBA STARTUP TOUR』の参加者の方々からは「今までは、茨城/つくばにおけるスタートアップの先端技術への関心はあったが、どこに行ったらアクセスできるのかが見えなかった。しかし『TSUKUBA STARTUP TOUR』に参加して、施設を見学したり支援機関から話を聞いたりしたことで、つくばの中に一歩入り込めた感じがした。」という声をいただきました。今回は第1回ということでさらっと施設を紹介しましたが、今後は今回参加できなかった方々にご参加いただいたり今回まわらなかった施設を紹介したりしたいと思っています。また、受け入れた施設側からは「TSUKUBA CONNÉCTという取り組みは知っていたが、初めて実際に体感してみることができた。」という反応がありました。

堀下:TSWとして開催するということで新たな取り組みとして『TSUKUBA STARTUP TOUR』を実施されましたが、受け入れてくださった研究機関や支援機関にとっても新たな気づきや学び、つながりができるきっかけになったということですね。


堀下:TSW2022やそれ以降の未来に向けての展望をお聞かせください。

跡部さん:『TSUKUBA STARTUP TOUR』は今回が初回だったので施設の紹介にとどまりましたが、次はもう一歩踏み込んで参加者とのインタラクティブが生まれ、新しい発想から新たな取り組みにつながるようなプログラムを一泊二日などで実施できると面白いなと思います!今まで各機関で個別に行っていた取り組みが、TSW2021を通じて一緒になり、ひとつの大きなところを目指していると実感することができました。これを継続していくことで各イベントが重なり、一緒に取り組めることが増えていくのではないかと思います。

佐藤さん:つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムとしてどこまで活動を広げていけるかが課題になると思います。これまでのTSUKUBA CONNÉCTでは、いち登壇者として様々な機関からご登壇いただくことはありましたが、今回組織単位でジョインしていただけたことがひとつの成果になりました。つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムの中でTSUKUBA CONNÉCTが各機関をつないでいく役割を担っていくと思うので、今後TSWを通じて、今回参加してくださった組織以外にも関わってくださる組織の幅を広げていけるといいと思います。また、首都圏の投資家や事業会社、支援機関の方などにも『TSUKUBA STARTUP TOUR』をきっかけにつくばに関わっていただいて、TSUKUBA CONNÉCTにも関わっていっていただけるような関係性をTSWを通じてどんどん広げていきたいと思います。

山崎さん:組織同士のつながりを継続していくためにも、TSWの取り組みは続けていきたいと思いました。今回は、つくばを中心とした大学や研究機関の方々に関わっていただきましたが、つくば以外の県内の大学や研究機関の方々にももっと関わってもらい、TSWを茨城県内全域の取り組みに進化させていきたいと思います。

堀下:一丸となってみんなでより良いTSWを創り上げていき、それをきっかけとして様々なコネクトが生まれるといいなと思いました。ありがとうございました!


今回のインタビューを通じて、新しい取り組みにチャレンジすることの重要性を実感しました。TSW2021は各機関の方々のご協力により開催することができました。今後も各機関との連携を強めていきたいと思います。

インタビュー:Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCT operation manager 堀下恭平
写真撮影:株式会社しびっくぱわー 川原涼太郎
記事執筆:株式会社しびっくぱわー 中井遥

2022/3/21(月)